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根管治療を成功させるために絶対必要なこと!ラバーダム防湿について

2021.09.29 お知らせ

こんにちは。

宝塚デンタルオフィスです🦷

 

本日はラバーダム防湿についてお話し致します。

 

多くの患者様は「ラバーダムって何?」って思われるかもしれませんが、以下の参考写真のようにお口周りに貼り付けるゴム膜の事です。

 

 

ゴム膜から治療する歯だけを露出させて、周囲から隔離した状態で根管治療を行います。 

 

このラバーダム防湿は根管治療においてとても重要なステップです。

 

 

目次


  1. ラバーダム防湿を行う理由


  2. ラバーダムって本当に必要?

 

 

 

ラバーダム防湿を行う理由

 

根管治療中にラバーダム(ゴム膜)を張る理由は2つあります。

 

理由1:根管治療を無菌的に行うため

根管治療が失敗する理由は細菌感染です。具体的には、お口の中に存在する沢山の細菌が歯の中に侵入して歯の根の中(根管)で増殖し、炎症を起こします。

したがって治療中はお口の中の細菌が侵入しないように、ラバーダム(ゴム膜)で唾液などに含まれる細菌の混入を防ぐことが必須です。また、治療器具や術者の指が唾液やお口の中の粘膜に触れて汚染されることを予防します。

 

理由2:薬剤や診療器材の誤飲・誤嚥を防ぐ

根管治療では刺激の強い薬剤や細くて鋭利な器材を使用します。それらが誤って喉に流れていったら大変です。安全に治療を行うためにもラバーダムは重要な役割を果たします。

 

 

ラバーダム防湿の効果について

ラバーダムの効果についての研究は少ない(できない?)ですが、ラバーダムを使用した方が使用しない場合より治療成績が良かった(参考文献1)、ラバーダムを使用した方が治療後の痛みが持続しにくい(参考文献2)、ラバーダムを使用した方が歯の生存確率が高い(参考文献3)などの報告があります。

 

根管治療を成功させるには無菌的に治療を行うことが重要で、そのために当院ではラバーダム防湿は必ず実施しています。

 

ラバーダム防湿の目的は外科処置をするときに手術室のようなクリーンルームで衛星管理を行い、かつ術野を効果的に消毒することと本質的に同じです。処置の性質上、必ず必要な事です。そしてラバーダム防湿により無菌的環境で治療するからこそ、不幸にも治療が失敗に終わったときにその原因を追求することができます。治療環境に不備がある場合は失敗の理由が追求できません。失敗の理由が分からない歯科医師は同じエラーを繰り返します。それは患者様にとってデメリットでしかありません。

 

是非ラバーダム防湿の重要性についてご理解頂きたいと思います。

 

※ゴムに対してアレルギーのある方にはノンラテックスのラバーダムを使用します。

 

参考文献1:Van Nieuwenhuysen JP, Aouar M, D’HOORE W. Retreatment or radiographic monitoring in endodontics. International Endodontic Journal. 1994;27(2):75-81.

参考文献2:Abbott PV. Factors associated with continuing pain in endodontics. Australian Dental Journal. 1994;39(3):157-161.

参考文献3:Lin P-Y, Huang S-H, Chang H-J, Chi L-Y. The Effect of Rubber Dam Usage on the Survival Rate of Teeth Receiving Initial Root Canal Treatment: A Nationwide Population-based Study. Journal of Endodontics. 2014;40(11):1733-1737.